東京デスライド(旧)

自転車で「自分的に限界ギリギリ」のライドをしたら更新します。

都内から長野まで自転車で行く方法

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前回は、4泊5日の自転車旅行を走り切るために買ったアイテムを紹介しました。

 

4泊5日で「536km走って10,000m登るために買ったアイテム」まとめ - 東京デスライド

 

今回はそれを使って走ったコースを紹介します。

 

東京脱出の儀としての自走 

 

手っ取り早く長野まで行くなら、北陸新幹線に乗ればいいのですが、今回は自走を選びます。

 

僕は人混みの東京が嫌で脱出するのです。現実逃避のための4泊5日、初っ端から混んでいる新幹線でげんなりしたくはありません。何より僕は自走が嫌いではありません。これだけは真実を伝えたかった。

 

自走で東京から長野入りする場合、大まかに2つのルートが考えられます。奥多摩から柳沢峠を越え、甲府を抜けて諏訪方面に進むルートと、西秩父を北に抜けて群馬入りしてから長野に入るルートです。

 

今回は2日目に走るコースの関係で1日目に長野県佐久市に宿泊したかったので秩父ルートを選択。

 

 

コーススペックは以下の通りです。

 

・走行距離:181km

・獲得標高:2,466m

 

 

コース上にある主要な登りは3つ、飯能から秩父に上がる正丸トンネル、秩父から群馬に抜ける志賀坂峠、そして群馬と長野の県境にある十石峠です。正丸トンネルまではある程度の交通がありますが、それ以降は車通りは多くありません(ローディの姿を見かけることもないくらい秘境ですが)。道を独占して楽しむことができるでしょう。

 

都内は早朝に駆け抜ける

 

出発は朝4:00。都内を出て秩父に向かいます。

 

23区内はもちろんのこと、都内の幹線道路は基本的に走っていて楽しいところではありません。交通量が多く、車道を走るのは危険です。しかし、早朝だけは違います。

 

予想通りGWながら出発した時間には車は少なく、2時間30分ほどで50km弱走って飯能に到達。最初は信号が多いですが、すぐに間隔が長くなり、空が開け、朝日を浴びながら気持ちよく走れるようになります。

 

秩父に上がる正丸トンネルはトラックの通行が多く、日中はかなり危険です。通常は飯能から名栗経由で山伏峠を越えて迂回すべきですが、今回は敢えて特攻。早朝なら比較的交通量は少なく、まだ安全と考えてのこと。実際は結構トラックが多く、もう1時間早く家を出るべきだったという感じでしたが…。

 

秩父からは落ち着いて走れる

 

秩父市街に入ってしまえば、交通量は激減し、一気に走りやすくなります。日が落ちる前に長野に入れればいいので、秩父神社に寄り道します。

 

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早い時間だったので観光客はまばらで、悠々と境内を巡れました。

 

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 秩父神社の有名な彫刻「しばりの龍」。昔、朝になるとしっとりと濡れており、近所の川で悪さをしているとわかったため、鎖で縛りつけられたのだそう。よく見ると胴に鎖が巻かれています。

 

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こちらも有名な彫刻「北辰の梟」。180度首を回した姿で彫られています。この姿は智慧のシンボルとされているとのこと。

 

その後、秩父公園橋を通過。

 

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秩父公園橋で振り返ると秩父市街がもう小さくなっています。

 

自走を避ける人も多いですが、早朝にスタートすれば結構楽しめます。自宅からどんどん離れていくわけで、それはそのまま現実逃避感を高め、旅への没入度を深めてくれますよ。

 

志賀坂峠は超僻地ながら登りやすいヒルクラスポット

 

第二の登りは秩父の果てにある志賀坂峠。

 

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左上の山中にガードレールが見える、志賀坂峠の入り口。

 

志賀坂峠は全長5kmほどで平均斜度は5.3%、山伏峠と似た登りやすい峠です。

 

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心地よい陽気の中で山桜が散り始めていた。すでに都内の桜が散っているGWにまた桜を拝めるのはなかなかの体験。

 

このときは日が出ていて、気持ちよく登れました。車とはほとんど遭遇せず、トレイルランナーが2人走っていたのを見かけた程度。

 

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山頂からの展望はまずまず。 

 

志賀坂トンネルを抜けると、そこは群馬県神流町

 

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あ〜生き返るわぁ〜。

 

ダウンヒル中には恐竜の足跡を見ることができます。

 

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ロードの直上と崖の左上にあるくぼみが恐竜の足跡。

 

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拡大するとはっきり足跡だとわかる。

 

十石峠デスクライム

 

神流町に降りたあとは、西進して十石峠を越えます。場所が場所だけに情報も少ない未知の場所。

 

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十石峠入り口。ツーリングに来ている車とちょくちょくすれ違った。

 

が、ここで雨が降り始めます。レインウェアは思い切って持って来ていなかったので、地獄を見ます。

 

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雨に濡れる山桜。

 

今までは暑いくらいでしたが、雨雲が陽の光を遮るととにかく寒い。風雨が冷たく、みるみる体力が奪われていきます。

 

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しかもこの十石峠、全長14.7kmほどで、コンスタントに斜度が上がっていくタイプの坂です。標高は1,351m、途中で生えている木が白樺に変わります。高地感が出てきてから何度もカーブが続き、延々と10%強を登らされます。空が近く終わりが近いはずなのに山頂にたどり着けないのが本当にきつい。地図で見るとわかるように山奥中の山奥であり、秘境感はすさまじいです。

 

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山頂。展望台とトイレがある。

 

今回は、GWということでバイクや車で来ている人がちらほら。その中に同郷のおじさんがいて、軽く雑談をしたりも(雨で濡れていたので地味に会話中寒くて死にそうだったけど)。

 

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山頂には十石峠と記された碑があるので、達成感はそれなり。 

 

GWはみんな心に余裕があるのか、行きあった人とコミュニケーションが生まれやすい気がしますね。十石峠自体は過酷な峠でしたが、こういった出会いがあったのはとても良かったです。

 

そして、ダウンヒル。雨も止み、いよいよ長野に足を踏み入れるときが!

  

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長野側はまだ春も半ばという感じで、山桜が咲き誇っていた。1日の間に複数の季節を体感できるのは、アップダウンの激しいコースならではの楽しみ。

 

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ダウンヒル中にみつけた「臼石」。中央のくぼみは水流が自然と削ってできたそう。

 

道幅も広く、ダウンヒルも快適。眼前の田園地帯の広さが、狭苦しい首都圏を脱出し切ったことを強く感じさせてくれます。

 

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長野の山道は全体的に道幅が広いが、舗装はやや荒れ気味だった。前回紹介したグローブはかなり活躍。

 

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雲間からの陽光が田園地帯に射し込んでいた。こんな景色が見れるなら雨も悪くない?

 

その後、目的地の長野県佐久市まで走り、早めの夕食に。ちなみに、この頃には雨で濡れたウェアも乾ききっていました。

 

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現地で人気のある信州そばのお店「佐久の草笛」。特徴は料理が超ボリューミーなこと!

 

お腹が空きすぎて、天丼ととろろざるそばを両方頼んじゃうという暴挙に出るまだ先は長いし、休暇だからこれでいいのだ。

 

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天丼。ふつうの値段で1.5人前のボリューム。

 

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とろろざるそば。ふつうの値段で1.5倍のボリューム。

 
信州蕎麦の草笛

 

泊まるのはネカフェ、さすがにホイールまで新調してホテルに4泊は厳しかったです…。自分は楽しく走れれば泊まる場所はダウングレードしても問題ないタイプなので、ここも節約対象に。

 

そして、ここからが本番。次の日も120km走り、2,500m以上登ります。