東京デスライド(旧)

自転車で「自分的に限界ギリギリ」のライドをしたら更新します。

530km走って10,000m登る旅は渋峠で終わった。

渋峠にはローディが求めるものがすべてある。

5日間の自転車旅行最終日、ゴールに選んだのは渋峠。信州や群馬を巡ることにした理由は、渋峠があるから。冬季に黙々とヒルクラをしていたのも、渋峠を余裕を持って登り切るため。すべては渋峠のために。

コースは以下の通り。

  • 走行距離:83km
  • 獲得標高:1,925m

前日は浅間山麓・北軽井沢に宿泊。

泊まったのは『かまいたちの夜』や『金田一少年の事件簿』の舞台に選ばれてもおかしくないような、昭和なペンション「コスモス」。1泊朝食付き6,300円とリーズナブル。

ペンションの朝食は地場野菜のサラダとオーナーさん自家製のブルーベリージャムが絶品。

長野と群馬を貫くロマンチック街道を北上して草津を目指します。

これから登る白根山渋峠)付近が突然目の前に現れてテンションはうなぎ上り。

こうしたパノラマは草津まで輪行したのでは見ることができません。今回、自走にこだわったのはこうした山のダイナミズムを味わい尽くしたかったから。

草津温泉街までの登りもなかなか強烈。坂としてのタイプは異なりますが、きつさは箱根の新東海道くらいあるでしょう。

同道した中川苦行氏はズタボロにされた模様。

途中のコンビニで振り返ると、浅間山の姿が。前日の宿泊地がもうあんな彼方に。旅の終わりが近いのを実感。

セブンイレブン草津店から見えた浅間山

温泉街観光は後回しにして志賀高原に突入します。

まだ景色が寒々しい志賀高原

5日間で登った山岳の中で一番寒かったですね。陽の光は暑いくらいなのに、風が冷たい。都内は夏のような陽気だったのでしょう。序盤数キロこそゆるい登りが続きますが、斜度は7〜十数%が延々と続く感じ。美ヶ原ほどきつくはありませんが、都民の森の料金所以降や箱根の小涌谷をイメージしておくといいでしょう。

渋峠名物の雪の壁。

でも、テンションが上がって、ガンガン踏んでしまう。早く渋峠ホテルにたどり着きたい。『弱ペダ』の真波が言っていた「山頂が近づくとギアが自然と上がっちゃう」そのもの。

絶景を写真に収めたいというのもありますが、とにかく全身で山を感じ、登り切って理解することが大事かなと思っています。写真はダウンヒルのときに撮るのが一番いいと思います。

渋峠の美しさを言葉で言い表すのは難しい。美ヶ原が最果てなら、こちらは空まで駆け上がって行ける特別な場所という感じかもしれない。

ローディ、バイカー、乗用車で来た人たちで賑わう国道最高点。『ろんぐらいだぁす!』でその存在を知って、絶対に行くと決めていた。

5日もかけ、何十時間も自転車とともに過ごしましたが、あまりの楽しさにあっという間だったという感想しかありません。

群馬県と長野県の県境にあたる、渋峠ホテル。

終着地はもちろん渋峠ホテル。今年、何があっても行くと決めていた場所にたどり着けた充実感は凄まじいものでした。

ホテルの従業員さんと遊ぶインディーくん。やんちゃらしい。

指輪物語』にモリア鉱山やモルドールがなかったら、歴史に名を残す冒険小説にはなっていなかったでしょう。それとまったく同じ理屈で、僕は今回5日間使って渋峠を目指しました。その意味では、十石峠も美ヶ原も、榛名山も、この旅に絶対に必要な場所だったのです。

渋峠に来るまでの道をカットすることは簡単ですが、そうしなくて良かった。延々と山を越えた結果として、僕にとって長野や群馬は身近な、日常生活の場である東京と地続きの場所になりました。

渋峠ホテルの喫茶にて。

東京からであれば新幹線ですぐに行ける長野と群馬。しかし、自転車に乗るまでは行ってみようとは思いませんでした。僕にとってのロードバイクは、「行こうと思ってもわざわざ行こうとしなかった、どこか遠い場所」に行くための道具なのです。

渋峠を下ったあと、湯畑を散策。

夕暮れの草津から眺める白根山。人里に降りると、山を駆け上がっている時間がいかに非日常の体験かがよくわかる。

帰りは群馬のローカル線・吾妻線輪行。非日常が終わった以上、無駄に自転車には乗りたくない。

今回、行きたいと思っていた場所をかなり潰せたので、次はもっと遠くに行くでしょう。それが今から楽しみで仕方ありません。

ローディを殺すのに坂はいらない。軽井沢『風立ちぬ』ライドがメンタルを滅ぼす

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旧軽井沢ジブリみを感じながら。前を行くのは「ロードバイク辛みのデスロード」の中川苦行氏。

 

ここまでの累積距離は380km。4日目は高崎から横川駅まで輪行して、いつも一緒に走っているRapha信者の中川苦行氏と合流し、碓氷峠を越えて軽井沢観光に向かいます。

 

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スタート地点の横川駅はどこかレトロな雰囲気。

 

中川氏は脚質が坂に対してクレーマーなので、この日は(今までに比べれば)緩めのコース設定。調整が上手く行っているので僕はハードなコースでもいけそうでしたが翌日も考えて、ガチゆるぽたライドを1日挟みます。

 

コースは以下の通り。

 

 

  • 走行距離:47km
  • 獲得標高:1,223m

 

新緑の碓氷峠は控えめに言って最高!

 

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碓氷峠までは味のある街道になっている。少し暑いがのどかで心地が良い。 

 

有名なめがね橋などの鉄道遺構を横目に、緑鮮やかな峠をまったり登ります。斜度は最大で8%くらい、5月に観光ライドで足を運ぶならかなりおすすめです。

 

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碓氷峠の辺りは山の形が独特。知らない土地を走っていると感じられる瞬間のひとつだ。

 

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有名な鉄道遺構「めがね橋」はグループライドをしているローディたちやバイカー、行楽客で賑わっていた。

 

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こんなのも。明治〜大正時代、産業化期の名残りである。 

 

ペースは中川氏に合わせてまったり。だらだらだべりながら走るのも楽しいので速度は全然気にならない(何より前日までに激しいヒルクラは満喫済み)。

 

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碓氷峠は新緑真っ盛り。

 

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ワインディングも緩やか。

 

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天気も良く、デスライドのデの字もない…ように見えた。

 

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碓氷峠を抜けると軽井沢はすぐそこ。初心者フレンドリーな峠だと思います。

 

軽井沢『風立ちぬ』ぽたはヒルクラより心がきつい新型デスライド

 

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軽井沢に最初に建てられた別荘の窓から。

  

スタジオジブリの映画『風立ちぬ古き良き時代のロマンスとともにひとつの時代の終焉を描いたこの作品は、堀辰雄の同名小説を下敷きにし、実在の航空機技師・堀越二郎やドイツの古典小説『魔の山』をミックス。格調高い雰囲気を持ちつつも現代の若者への強いメッセージ性も持った傑作であることは、多くの人が知っているはず。

 

個人的には耳をすませば』と肩を並べる刺客映画です。上映時に1人で観に行って、ほかがみんなカップルで来ているのを見たうえに内容があれだったので無事死亡しました(『秒速5センチメートル』よりきつかった)。

 

その舞台は軽井沢。中川氏の粋な計らいで、その世界を味わおうというのが4日目の目玉です。

 

万平ホテル

 

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旧軽井沢にあるビンテージホテル「万平ホテル」。カフェやレストランのみの利用はもちろん、中を見学することもできる。

 

まず訪れたのは、レトロな外観と雰囲気がすばらしい、万平ホテル。作中で主人公・堀越二郎がドイツ人・カストルプ氏と出会い、ドイツの民謡「リンデンバウム」を歌ったホテルでのシーンそのもの。

 

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豪奢なエントランスには上品な活気が。ある意味、ステレオタイプな上流階級の社交場といった風情が良い。

 

同作のカストルプ氏は『魔の山』に登場する同名主人公がモデル。原作では結核療養のためにスイスの保養地・ダボスに引きこもりますが、結果として当時勃発した第二次世界大戦から兵役逃れをするような形に。どんどん厭世観を強めていくカストルプ氏は体調が良くなっても引きこもり続け…というお話です。

 

つまり、万平ホテルは現実逃避の象徴…!

 

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ホテルのステンドグラス。映画『シャイニング』の舞台もこんな感じだったな…。あれも作家が冬季にリゾートホテルに引きこもってあれこれするって話で現実逃避感が(閑話休題)。

 

ここでGWも終わりに近いことに気づき、社会復帰したくねぇという話に。誰か軽井沢に別荘を買ってください。僕が管理人として住み込むので。よろしくお願いします。

 

ショー礼拝堂&別荘

 

そんな厭世的避暑地のイメージを作り上げた罪人はイギリス人・ショー神父。神父なのに罪人ってこれもうわかんねぇな?

 

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瀟洒な礼拝堂が残っている。内部は撮影禁止です。

 

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軽井沢で最初に建てられたショー神父の別荘。

 

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中を見学できる。サナトリウムっぽくて収容されたみしかない

 

軽井沢グルメで現実逃避欲を忘却せよ

 

GW終了まであと4日という現実と、先に紹介したような場所で心ゆくまでリゾートできてしまう人々との格差を感じてダメージを負った我々は、軽井沢銀座に移動。とりあえず何か食べて現実逃避欲からさらに逃避しようと試みます。

 

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ソーセージのお店「腸詰屋」。店内ではさまざまなソーセージを試食し放題という太っ腹ぶり。

 

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店頭ではソーセージを焼いてホットドッグにして売っている。今回選んだのはスパイシー味。

 

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上品な甘さと濃いモカの味が晴れた日には最高な「ミカドコーヒー」のモカソフト。長蛇の列ができていましたが、回転は速いのでさっさと並んでしまいましょう。

 

中川氏はこの手のオサレ観光地巡りコースを引くのがとても上手です。斜度では死なない僕のメンタルを的確に殺してくれました。何でGW、終わってしまうん…。

 

浅間山の麓で肉

 

その後、日本ロマンチック街道を登り、宿泊地である北軽井沢へ。

 

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日本ロマンチック街道から見える浅間山

 

この道は名前に反して、最大斜度14%ほどで道も荒れ気味、延々林の中を走り続けるなかなか過酷な登りです。GWで交通量も多く、中川氏は見事に死亡

 

北軽井沢に到着した我々は早速「浅間牧場」で食事を摂ることに。ここまで毎日獲得標高1,000mオーバー、ネカフェとコンビニ飯で過ごしてきた僕はもう我慢できませんでした。

 

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ヒャッハー、肉だぁぁぁぁ。

 

人間らしい食生活に帰ってきた!ネカフェ泊やコンビニ飯はコストカットの意味が大きかったのですが、そうやってQOLを最低まで落とすと文明や人間のサービスに感動できるので、個人的にはアリです。

 

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リアルパカさんもいました。

 

 全部一緒に走らなくてもいい

 

なお、僕と中川氏は走力にかなり差があるとともに、「旅観」もまったく異なります。中川氏はある程度きちんとした宿泊施設に泊まってグルメもしたいタイプ。僕はひたすら走りまくって絶景を観れればいいタイプ。双方の希望を完全に同時に満たすのはよほどの資金力がないと厳しいというのが現実でした。

 

でも「GWにはどこか走りに行きたいとよね」という話になっていたので、途中から中川氏が合流するという選択を取りました。徹頭徹尾同じコースを走ろうとすると走力差や旅観ちがいでプランがまとまりませんが、「走力が高い人のコースに途中から初心者・QOLを維持したい人が合流する」ようにすれば無理なく楽しめます。もちろん、走りメインで旅をしたい人は合流までに徹底的にハードなコースを走ってある程度満足しておく必要があります。

  

また、参加者の得意分野に合わせてコース引きを担当すると、旅の満足度が跳ね上がります。碓氷峠以降の旅程プランを観光地に強い中川氏に任せた結果、僕だけでは作れない、おもしろい旅になったと思っています。おかげでローディを殺すのは坂だけではないということがよくわかりましたね。本当にありがとうございます。

 

山を登ったあとのご褒美も山。ハルヒル前の榛名山で山岳ゆるぽた

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榛名神社前の大鳥居。ハルヒルの試走にきたローディで賑わっていた。

 

前回、美ヶ原でハードコース欲が完全に満たされ、今残っているのは観光欲…! というわけで自転車旅行3日目はコースの難易度を下げ、観光モードに移行。山岳ゆるぽたをエンジョイします。

 

スポーツ自転車の楽しみ方は大まかに以下の3つ。

 

  • レースクリテリウムヒルクライムレースなど。書いている人はまったく興味がない模様。
  • チャレンジライド:激坂ヒルクライム、ブルベ、キャノンボール、ファストランなど。「未知の場所に突撃して走り切る」もしくは「今までよりハードなコースを走り切る」ようなライドのこと。達成感重視の遊び方。その経験が次のライドの幅を広げる。
  • ゆるぽた:ロングライド、ご近所ゆるぽたなど。行きたい場所に行く手段として自転車をチョイスする。行った先でできる観光やグルメのクオリティが重要。あちこち見て回るので移動距離は稼げないし、獲得標高もオマケ。

 

チャレンジライドばかりだと疲れるし、ゆるぽただけだと財布が軽くなるし太る。うまいことバランスを取ったほうが飽きにくいので、個人的にはかなり意識的に走り分けています。

 

前回まではチャレンジライドよりの走り方だったので、ここから2日は気分転換にゆるく走ろうという感じですね。なお、自転車に乗ると知能が下がって高いところに行きたくなるので、登らないのはNG

 

走ったコースとスペックは以下の通り。大まかに言って、佐久市→軽井沢→碓氷バイパス→途中にある山(地蔵峠)越え→榛名山→高崎というコースです。

 

 

  • 走行距離:98km
  • 獲得標高:1,788m

 

獲得標高2,000m未満がゆるぽたになってきたのは、確実に新調したホイール・シャマルミレのおかげなんだよなぁ。遊べる場所の幅が広がるので、ハイエンドホイールへの換装は本当におすすめですよ。

 

観光地としての榛名山を登る

 

ハルヒルが人気の榛名山は、登りがいのある山ということでとても気になっていました。また、観光スポットとしての榛名山にも関心があり、個人的にかなり行ってみたかった場所でした。

 

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横川から向かう途中にある地蔵峠の山頂から見える榛名山

 

榛名山は、ハルヒルまであと2週間、しかもGWということもあり、多くのローディ、観光客で賑わっていました。常に視界の中にローディがいる感じで、車通りも多く、首都圏だとヤビツ峠のような雰囲気。みんなめっちゃ追い込んでる!

 

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榛名山山頂付近(天神峠)にある男根石。ここまでくればあと少しでゴールだがんばれ(ハルヒルに出ないので他人事)。

 

ヒルクライムコースとしての性質もヤビツに似ており、激しい斜度のみで構成された山岳ではなく、緩急が入れ替わり立ち代りやってくるタイプ。クライマーでなくともやりようのある、走っていておもしろいコースです。全体的に斜度がきついので、難易度自体はヤビツより上でしょう。ヒルクラ好きなら足を運んでみる価値がある山だと思います。

 

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榛名富士から前橋方面を望む。茶色が多く、もうちょっと季節が行ってから来た方が良かった感。

 

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榛名富士は『弱虫ペダル』2年目インターハイ2日目のゴールになっている。榛名湖の周りは超ど平坦。

 

山としての景色はそこそこでしたが、榛名神社は有名観光地てんこ盛りの今回の旅の中で優勝する勢い。山間の狭い土地に神社の施設がぎゅっと密集したミニマルな世界観が醸し出す独特の雰囲気が神社仏閣スキーにはたまらない。

 

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榛名神社入り口。参拝客の年齢の幅が広く、活気がありながらも騒々しい感じではないのがGood。

 

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石垣の苔がとてもいい味を出している。

 

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途中で売っているきゅうりの塩漬け。梅塩をつけて食べると超おいしいです。

 

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榛名神社本殿。背後にある大岩が御神体のようです。

 

鳥居付近にもお立ち寄りスポットが豊富でした。今回は、「Kafe Haruna」をチョイス。ヒルクラ後に参道を歩いていく人たちの様子を眺めながらアイスコーヒーとスコーンで一服するのは、疲れた体にはなかなかの贅沢。

 

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榛名神社の大鳥居の先にあるKafe Haruna。ノボリにハルヒルのWEBサイトと同じフォントが使われているという理由でチョイス。

 

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店内はオサレな感じ(あまり関心がない)。 

 

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テラス席でアイスコーヒーをいただきつつのんびり。

 

帰りは弱虫ペダルの聖地を越えて高崎まで

 

旅はあと2日続くので、この日は早めに切り上げて宿に向かいます。折角なので、『弱虫ペダル』の聖地をもう1つ巡礼。

 

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中央奥の山を登って行く道が県道126号線。

 

榛名湖のすぐ手前にある峠(県道126号線)は弱虫ペダル(49)』で巻島と東堂が深夜にヒルクラ勝負をしていた場所です。…が、砂が多く、舗装も荒れており、かなり登りにくいです。斜度もきつく、率直に言ってクソ坂です。ここで巻島みたいなダンシングをしたら、ふつうにスリップすると思うんだけど…。

 

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県道126号線は斜度きつい、路面は砂だらけ、舗装が荒れているの三重苦。短いのだけが救い。

 

下りも似たような感じで危険度高めなので、よほどの巻島・東堂好き以外にはおすすめできない。

 

あとはさくっと高崎まで下っておしまいです。

 

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高崎市内のアーケード街。車両通行OKなのにびっくりさせられた(地元のアーケード街は車両通行禁止だった)。

 

群馬は非常に暑く、一足先に夏を感じることができました。意識的に抑え目に走ったおかげでいい具合に回復走になったのか、疲労も大して残らず。続く4日目はいったん軽井沢まで折り返します。

Y's Roadで買い物をしよう【ダイマ】

Y’s Roadでもらえるサコッシュ風のビニール袋はサドルバッグに入れておくと宿泊時に超便利。長野県佐久市のコインランドリーにて。

私はY’s Roadの関係者ではありません。それだけははっきりと真実を伝えたかった。

何が言いたいかと言うと、「Y’s Roadで買い物するともらえるでかいサコッシュ風のビニール袋が自転車旅行で超便利だった」ということ。

「旅先でロードバイク輪行袋に入れるとき」に活躍する

GWに5日間の自転車旅行をし、半分以上、ネカフェに泊まりました。宿泊をすると問題になるのが「ロードを屋外に停めるか、輪行袋に入れて宿泊施設内に持ち込むか」です。ネカフェは繁華街やバイパスなど、治安が微妙なところにあることが多く、屋外に停めるのは不安すぎる。

しかしそうすると、サドルバッグに収納していた身の回りの品やロードにつけていたサイクルギアがとっ散らかってしまうという問題が。輪行袋や必需品はすべてサドルバッグに収納していましたので、宿泊施設で活動するにはサドルバッグを外さねばなりませんし、輪行袋にロードを入れるにあたってはボトルや前照灯は外す必要があります。もちろん、それらを輪行袋とは別に運ばねばなりません。ロードを輪行袋に入れるだけでも面倒なのに。

この手間を少しでも軽減するために、僕は次のようにしていました。

  • ロードは外すべきものを外して輪行袋に入れる。
  • 外した側からY’s Roadのビニール袋にぶち込む

言葉で説明してもわかりにくいですが、以下の写真を見てもらえばどうなるかは一目瞭然。

手荷物2つの状態でネカフェにイン。本当に楽。長野県佐久市のネカフェにて。

Y’s Roadのビニール袋を使うメリットは荷物を2つにまとめられるということに尽きます。ボトルからサドルバッグ、ヘルメット、トップチューブバッグ、脱いだグローブやウィンドブレーカーなどを片っ端からこのビニール袋に放り込んでいくだけで、荷物が2つにまとまります。Y’s Roadのビニール袋はたためんでサドルバッグに収納できるので、リュックサックが不要なのも大きなメリット。

(ちなみに、ネカフェはフラットシートを選べば、スペースの半分に輪行袋を置いて、残り半分で寝るということが可能です)

こんな使い方も。ライド終了後にトイレで普段着に着替え、脱いだサイクルウェアなどをY’s Roadの袋に入れてまとめています。群馬県高崎市のコインランドリーにて。

また、ホテルでも自転車が持ち込めないところは多いので、もし室内に自転車を持ち込むならY’s Roadの袋は大いに活躍するでしょう。というか、荷物が多い状態でロードを輪行袋に入れるときはいつでも便利です。

ローディにとってY’s Roadのビニール袋が必携なほかの理由としては「デストライド」の隆盛が挙げられる。デストライドとは、闇ロード界で行われる、ローディのプライドとバイクのパーツを賭したヒルクライムレースのこと。近年、思わぬところでデストライドに巻き込まれるローディが増えており、パーツを奪われたときの備えとしてのルーザーズバッグ(輪行袋)と勝利して戦利品を得たときのY’s Roadのビニール袋はライド時のマストアイテムとなっている。(参考文献:『はやめブラストギア(2)』竹山祐右著、少年画報社

近くにY’s Roadがあるという人は買い物をして、このビニール袋を入手しておくといいと思います。「自転車で来てるので、肩掛けの袋をください」と言えばもらえるでしょう。

獲得標高2,700mのコースを走り切る方法【ビーナスライン・美ヶ原編】

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 長野県美ヶ原の果て、「王ガ鼻」。

 

2日目は佐久市をスタートして白樺高原>ビーナスライン>美ヶ原と巡ります。コースとスペックは以下の通り。

 

 

  • 走行距離:127km
  • 獲得標高:2,713m

 

5日間の旅行期間中で一番登る、前半の山場です。

 

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朝、ネカフェを出て見える景色がすでに雄大

 

ネカフェを出て10kmも走らないうちに山間の田園地帯に突入。平坦っぽく見えても3〜4%の登りなので騙されてはいけません。刻むように淡々と走っていると、斜度はすぐに8〜十数%に。

 

(斜度については走行時Garmin上で確認した数値を書いているため、実際とはズレがある可能性があります。以下同様)

 

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白樺高原に向かう国道152号線は斜度10%のオンパレード。

 

風は冷たいのですが、ガンガン登るため体温がみるみる上昇。太陽に近づいているせいか、陽の光も市街地にいたときよりもかなり強く感じます。

 

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白樺高原・雨境峠にあるトンネル。中だけ斜度14%ほどと異様な激坂になっているあたりに長野みが感じられる。

 

Garminの獲得標高がもりもり増えていきます。都民の森の料金所以降を延々登っている感じです。

 

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雨境峠頂上付近にある「もうもう牧場」。バイパスを離れると高原地帯を降りるまでコンビニはないので、白樺高原〜美ヶ原を走るなら補給スポットは洗っておくべき。

 

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もうもう牧場のコーヒーソフト。甘さ抑えめで上品な味わい。避暑地らしいグルメ。

 

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牧場に牛馬の姿はなかったが、浅間山や軽井沢方面がよく見えた。

 

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もうもう牧場の近くにある「鳴石」という古代の祭事遺跡。勾玉などの模造品を神に捧げる祭壇だったようです。雨境峠山頂にある看板によると、この辺りには古くから独特の祭祀文化があったとのこと。

 

その後、リゾート地として有名な白樺湖畔を抜け、ビーナスライン(大門峠)に突入します。

 

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ビーナスラインの入り口。開始地点で1,440m、ここから2,000mまで登ります。

 

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ビーナスラインで振り返ると、白樺湖畔を一望できる。

 

ビーナスラインは最上級のツーリングコースの1つ。山の稜線を中央アルプスの山々を眺めながら走ることができます。富士山、槍ヶ岳、そしてローディにとっては渋峠などと並ぶ憧れの地、乗鞍の姿をも目にすることができる、本日のメインディッシュ。

 

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ビーナスラインからは富士山も見える。

 

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中央アルプスの山々も遮られることなく眺められる。中央左手に見えるのは、ローディなら一度は行ってみたい、乗鞍岳

 

高原地帯であり、視界を遮る木々はなく、空も太陽も近く、強い陽の光に対して風は冷たいため、ビーナスラインを駆け抜けるという体験はまさに悦楽。前日は見かけることがなかったローディの姿もちらほら。

 

その後、三峰山展望台で二度目の休憩。

 

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三峰山展望台の売店で販売されていたきのこ汁。きのこがやたらでかい。

 

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三峰山展望台からは今まで走ってきた道や八ケ岳方面がよく見える。

 

名古屋から来たというローディペアと軽くお話しをしたりも。彼らは上田市から登ってきて、折り返して美ヶ原まで戻るとのこと。

 

個人的には、ビーナスラインには崖側の車道を走れる白樺湖畔側から入るべきだと思います。美ヶ原高原側からビーナスラインに入ると、山側の車道を走ることになるので。名古屋のローディさんたちのように往復するのもいいでしょう。茅野市もしくは佐久市から白樺高原>ビーナスラインと登っていくのがおすすめです。

 

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春の山岳といえば、雪の壁。だいぶ溶けていたが、ビーナスラインでも拝めた。

 

そして、いよいよ美ヶ原が始まります。ビーナスラインは最大斜度8%程度、山岳としては格段に走りやすいのですが、美ヶ原は強烈な激坂です。

 

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美ヶ原入り口のウェルカム10%坂。もちろん斜度が緩むことはない。

 

短い距離で延々急なカーブが続きます。森が視界を遮るようになり、苦行感はかなりのもの。鬱苦死ヶ原のほうが合ってるんじゃないの。

 

一応ご褒美はあります。後ろを振り返ると今まで来た道が足元に。すさまじい立体感がテンションを上げてくれるはず。

 

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さっき登っていた道が足元に。なんだこれはたまげたなぁ…。

 

首都圏の峠で言うなら和田峠が近いです。10%オーバー斜度で延々殴り続けられるアレですね。獲得標高も2,000mを超え、結構計算して補給食やドリンクを持ってきていたのですが、最終的にはハンガーノックになりかけながら美ヶ原を登り切ります。

 

持ってきていた補給食は、ウィダーインゼリー・ゴールド(BCAA入り)2つとビタミン1つ。カロリー補給は重視せず、BCAAなどを補給することを目的としています。前日はブラックサンダーをかじり続けていたのですが、高強度が続く山岳では一瞬で血中糖分が枯渇するせいか、即効性のあるBCAA入りのジェルのほうが効果的だと感じました。そこでカロリーは休憩時に買い食いで補い、走行中はジェルをがぶ飲みする方向に変更しました。RO的に言うとローヤルゼリー連打阿修羅連発、FEZ的に言うと常時ハイパワポです。

 

美ヶ原に関しては、ウィダーインゼリー・ゴールドを3つ持っていくべきでした。僕の場合は登り20kmにつき1個消費するようです。クライマー体型で回して登れる人なら、もっと減らせるかカロリー補給のみでいけるのだと思いますが。

 

山岳ロングライドの際は補給食やドリンクは十分すぎるくらい持っていったほうがいいです。知り合いが渋峠で補給不足でハンガーノックになった様子をレポートしているので、特にロード初心者できつい登りをロングライドに組み込むつもりなら一読しておくと参考になると思います。

 

自転車旅2日目!森林限界の絶景「渋峠」で肉体の限界に挑んで散る - ロードバイク辛みのデスロード

 

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美ヶ原高原。右手に見えるのは、テレビ局の電波塔だがまるで中央アジアの王城のような雰囲気。

 

手近にあったレストハウスに駆け込んで遅い昼食に。

 

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美ヶ原を登り切った駐車場にある「山本小屋ふる里館」。

 

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注文したのはビーフカツカレー。よく煮詰められており、きちんと牛の味がして、空腹を差し引いてもかなりのおいしさ。最果てグルメである。

 

休憩後は、美ヶ原の「本当の果て」を目指します。自転車では山頂には行けず、登山が必要なことがほとんどですが、美ヶ原の最高地点は道こそ未舗装ですが、SPDシューズなら十分に徒歩でたどり着けます。今回の旅のコンセプトは「完全なる現実逃避」。最果てまで行かねば。

 

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美ヶ原高原牧場を徒歩で抜けていきます。地味に傾斜があり、さすがにしんどい。

 

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上掲写真に写っていた電波塔のあたりまで行くと、やっと「美ヶ原高原」の看板が。左奥に見えるのは「王ガ頭ホテル」、つまりここで宿泊することができる。いつか泊まってみたいが、駐車場からかなり歩くのでグラベルロードを買ったらかな…。

 

まぁ往復で2時間かかるんですが。美ヶ原の山頂は「王ガ頭(おうがとう)」と呼ばれています。

 

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電波塔の足元には毘沙門天、摩利支天などの石碑がずらり。

 

王ガ頭の一番奥は「王ガ鼻」と呼ばれ、諏訪湖方面を一望できます。おそらく美ヶ原で中央アルプスにもっとも近い場所。

 

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王ガ頭の最奥「王ガ鼻」からは諏訪湖方面がよく見える。未舗装路を徒歩で片道1時間だが、すさまじい最果て感と展望にはその価値がある。これが見たかった。

 

今回のコースは5日間の自転車旅行前半の山場であるとともに最大の目玉、リサーチはかなり綿密に行いました。

 

ロードバイクで行ける場所の情報は、東京近郊に関してはネットにも十分にあるのですが、首都圏外に関してははっきり言って不足しています。ネットの情報のみで首都圏外のロングライドコースを引くのはおすすめできません。僕は『Touring mapple』というライダー向けツーリングガイドブックで観光情報や道の情報などを確認しました。佐久市側から白樺高原を登ってビーナスラインを抜けるという今回のコース設定も、ビーナスライン展望のいい場所が同書のマップ上に記されていたのを参考にしてのことです。

 

今回走ったコースは今まで走った中でもぶっちぎりの難易度でしたが、得られた満足度もそれに見合ったものでした。でも、そうしたコースを走る際は、近場でロングライドやヒルクライムの練習をした上で補給食やコース設定などをよく検討してみてくださいね。

都内から長野まで自転車で行く方法

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前回は、4泊5日の自転車旅行を走り切るために買ったアイテムを紹介しました。

 

4泊5日で「536km走って10,000m登るために買ったアイテム」まとめ - 東京デスライド

 

今回はそれを使って走ったコースを紹介します。

 

東京脱出の儀としての自走 

 

手っ取り早く長野まで行くなら、北陸新幹線に乗ればいいのですが、今回は自走を選びます。

 

僕は人混みの東京が嫌で脱出するのです。現実逃避のための4泊5日、初っ端から混んでいる新幹線でげんなりしたくはありません。何より僕は自走が嫌いではありません。これだけは真実を伝えたかった。

 

自走で東京から長野入りする場合、大まかに2つのルートが考えられます。奥多摩から柳沢峠を越え、甲府を抜けて諏訪方面に進むルートと、西秩父を北に抜けて群馬入りしてから長野に入るルートです。

 

今回は2日目に走るコースの関係で1日目に長野県佐久市に宿泊したかったので秩父ルートを選択。

 

 

コーススペックは以下の通りです。

 

・走行距離:181km

・獲得標高:2,466m

 

 

コース上にある主要な登りは3つ、飯能から秩父に上がる正丸トンネル、秩父から群馬に抜ける志賀坂峠、そして群馬と長野の県境にある十石峠です。正丸トンネルまではある程度の交通がありますが、それ以降は車通りは多くありません(ローディの姿を見かけることもないくらい秘境ですが)。道を独占して楽しむことができるでしょう。

 

都内は早朝に駆け抜ける

 

出発は朝4:00。都内を出て秩父に向かいます。

 

23区内はもちろんのこと、都内の幹線道路は基本的に走っていて楽しいところではありません。交通量が多く、車道を走るのは危険です。しかし、早朝だけは違います。

 

予想通りGWながら出発した時間には車は少なく、2時間30分ほどで50km弱走って飯能に到達。最初は信号が多いですが、すぐに間隔が長くなり、空が開け、朝日を浴びながら気持ちよく走れるようになります。

 

秩父に上がる正丸トンネルはトラックの通行が多く、日中はかなり危険です。通常は飯能から名栗経由で山伏峠を越えて迂回すべきですが、今回は敢えて特攻。早朝なら比較的交通量は少なく、まだ安全と考えてのこと。実際は結構トラックが多く、もう1時間早く家を出るべきだったという感じでしたが…。

 

秩父からは落ち着いて走れる

 

秩父市街に入ってしまえば、交通量は激減し、一気に走りやすくなります。日が落ちる前に長野に入れればいいので、秩父神社に寄り道します。

 

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早い時間だったので観光客はまばらで、悠々と境内を巡れました。

 

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 秩父神社の有名な彫刻「しばりの龍」。昔、朝になるとしっとりと濡れており、近所の川で悪さをしているとわかったため、鎖で縛りつけられたのだそう。よく見ると胴に鎖が巻かれています。

 

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こちらも有名な彫刻「北辰の梟」。180度首を回した姿で彫られています。この姿は智慧のシンボルとされているとのこと。

 

その後、秩父公園橋を通過。

 

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秩父公園橋で振り返ると秩父市街がもう小さくなっています。

 

自走を避ける人も多いですが、早朝にスタートすれば結構楽しめます。自宅からどんどん離れていくわけで、それはそのまま現実逃避感を高め、旅への没入度を深めてくれますよ。

 

志賀坂峠は超僻地ながら登りやすいヒルクラスポット

 

第二の登りは秩父の果てにある志賀坂峠。

 

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左上の山中にガードレールが見える、志賀坂峠の入り口。

 

志賀坂峠は全長5kmほどで平均斜度は5.3%、山伏峠と似た登りやすい峠です。

 

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心地よい陽気の中で山桜が散り始めていた。すでに都内の桜が散っているGWにまた桜を拝めるのはなかなかの体験。

 

このときは日が出ていて、気持ちよく登れました。車とはほとんど遭遇せず、トレイルランナーが2人走っていたのを見かけた程度。

 

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山頂からの展望はまずまず。 

 

志賀坂トンネルを抜けると、そこは群馬県神流町

 

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あ〜生き返るわぁ〜。

 

ダウンヒル中には恐竜の足跡を見ることができます。

 

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ロードの直上と崖の左上にあるくぼみが恐竜の足跡。

 

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拡大するとはっきり足跡だとわかる。

 

十石峠デスクライム

 

神流町に降りたあとは、西進して十石峠を越えます。場所が場所だけに情報も少ない未知の場所。

 

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十石峠入り口。ツーリングに来ている車とちょくちょくすれ違った。

 

が、ここで雨が降り始めます。レインウェアは思い切って持って来ていなかったので、地獄を見ます。

 

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雨に濡れる山桜。

 

今までは暑いくらいでしたが、雨雲が陽の光を遮るととにかく寒い。風雨が冷たく、みるみる体力が奪われていきます。

 

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しかもこの十石峠、全長14.7kmほどで、コンスタントに斜度が上がっていくタイプの坂です。標高は1,351m、途中で生えている木が白樺に変わります。高地感が出てきてから何度もカーブが続き、延々と10%強を登らされます。空が近く終わりが近いはずなのに山頂にたどり着けないのが本当にきつい。地図で見るとわかるように山奥中の山奥であり、秘境感はすさまじいです。

 

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山頂。展望台とトイレがある。

 

今回は、GWということでバイクや車で来ている人がちらほら。その中に同郷のおじさんがいて、軽く雑談をしたりも(雨で濡れていたので地味に会話中寒くて死にそうだったけど)。

 

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山頂には十石峠と記された碑があるので、達成感はそれなり。 

 

GWはみんな心に余裕があるのか、行きあった人とコミュニケーションが生まれやすい気がしますね。十石峠自体は過酷な峠でしたが、こういった出会いがあったのはとても良かったです。

 

そして、ダウンヒル。雨も止み、いよいよ長野に足を踏み入れるときが!

  

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長野側はまだ春も半ばという感じで、山桜が咲き誇っていた。1日の間に複数の季節を体感できるのは、アップダウンの激しいコースならではの楽しみ。

 

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ダウンヒル中にみつけた「臼石」。中央のくぼみは水流が自然と削ってできたそう。

 

道幅も広く、ダウンヒルも快適。眼前の田園地帯の広さが、狭苦しい首都圏を脱出し切ったことを強く感じさせてくれます。

 

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長野の山道は全体的に道幅が広いが、舗装はやや荒れ気味だった。前回紹介したグローブはかなり活躍。

 

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雲間からの陽光が田園地帯に射し込んでいた。こんな景色が見れるなら雨も悪くない?

 

その後、目的地の長野県佐久市まで走り、早めの夕食に。ちなみに、この頃には雨で濡れたウェアも乾ききっていました。

 

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現地で人気のある信州そばのお店「佐久の草笛」。特徴は料理が超ボリューミーなこと!

 

お腹が空きすぎて、天丼ととろろざるそばを両方頼んじゃうという暴挙に出るまだ先は長いし、休暇だからこれでいいのだ。

 

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天丼。ふつうの値段で1.5人前のボリューム。

 

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とろろざるそば。ふつうの値段で1.5倍のボリューム。

 
信州蕎麦の草笛

 

泊まるのはネカフェ、さすがにホイールまで新調してホテルに4泊は厳しかったです…。自分は楽しく走れれば泊まる場所はダウングレードしても問題ないタイプなので、ここも節約対象に。

 

そして、ここからが本番。次の日も120km走り、2,500m以上登ります。

4泊5日で「536km走って10,000m登るために買ったアイテム」まとめ

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ホイール、フレームバッグ、サドルバッグを新調。撮影場所は今回のツーリング先の1つ、長野県・ビーナスライン

 

GWに4泊5日で自転車旅行をしました。総走行距離は536km、獲得標高10,293mでした。それなりに過酷な旅であり、いつもと同じ装備で走り切れるとは思えなかったので、パーツやウェア、サイクルギアを買い足しました。今回はこの旅のために買ったものを紹介します。

 

カンパニョーロ・シャマルミレ

 

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マットブラックのリムときしめんスポークがG3組みされたシャマルミレのリアホイール。ひたすらかっこよく、次のフレームはこれに合わせてマットブラックにすることが決定。

 

鉄下駄ホイール(RS-500)からカンパニョーロのアルミハイエンドホイール・シャマルミレに換装しました。タイヤ・チューブ込みで16万円と高い買い物でしたが、それだけの価値はありました。

 

詳細なレビューは別途書きますが、ホイール換装なしでは今回のコースは走りきれなかったと思っているほどです。

 

確認できた効果は以下の通り。なお、タイヤもブリジストン・エクステンザ(23c)→コンチネンタルグランプリ4000 sII(25c)と換装しており、ワイド化の影響も含まれています。

 

  • 巡航速度の向上:山岳コースで巡航速度プラス約2km/h
  • 剛性の向上:ダンシングを多用できるようになり、疲労分散につながった
  • 反応性の向上:加速が非常にスムーズになり、走行中のストレスが低減された
  • 制動性の向上ダウンヒルの安定感向上に大きく寄与するとともに、手の疲労低減につながった

 

シャマルミレは総合力に優れたホイールだと思います。ヒルクライムでは同ランクで剛性に特化したフルクラム・レーシングゼロナイト、もっとも軽量なシマノ・WH-9100 c24(デュラエース)に劣るのではないかと思われますが、重量と剛性のバランスが取れているため、あらゆる状況で走りを底上げしてくれます。

 

上述した効果は、全体的な疲労低減につながりました。シャマルミレに換装する前は、獲得標高1,500m以上のコースを走ると翌日に疲労が残っていましたが、換装後は2,000mh走っても一晩眠ればふつうに走れるようになりました。

 

こうした性能面以外にも、ホイール換装は自転車の楽しさにも直結するのではないかと思います。シャマルミレに履き替えたあと、バイクが自分の思うがままに動くようになり、走る楽しさも増しました。

 

エンジョイ勢にこそホイール換装は大いにおすすめできるというか、ある程度の乗るつもりならさっさと換えたほうが楽しめると思います。

 

SHAMAL MILLE C17 shimano | RIOGRANDE

 

オルトリーブ・サドルバッグL

 

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衣類や電子機器を収め、風雨から守るために、ある程度の容量がある完全防水のサドルバッグが最低1つは必要です。僕は無難にオルトリーブのLサイズをチョイス(6,600円+税)。今回の旅行では一度雨に遭いましたが、浸水することはありませんでした。

 

容量は2.7Lであり、以下のような身の回りのものはこれ1つにすべてまとめていました。

 

  • 室内着一式(長袖Tシャツ、下着、ハーフパンツ、靴下)
  • 充電器具一式(USBハブ、iPhoneバッテリーチャージャー、USBケーブル×4、モバイルバッテリー)
  • パンク修理セット一式(チューブ×2、CO2ボンベ×2、インフレーター×1、タイヤレバー、携帯工具)
  • 眼鏡&コンタクトレンズ一式
  • タオル、ビニール袋などのその他必需品

 

すでに多くの人が使っている製品ですが、多くの場合で妥当な選択となる汎用性の高い製品だと思います。

 

サドルバッグ|ORTLIEB(オルトリーブ)|PR International

 

モンベル・トライアングルバッグM

 

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モンベルの布製フレームバッグ、特に防水ではない代りに値段も2400円(税抜)と安価。パッケージされている補給食は濡れても問題ないため、すべてこの中に。こういった選択ができるのも、完全防水で大容量ながら安価なオルトリーブのおかげですね。

 

サイクルジャージのポケットに入れることもできましたが、こちらに入れたほうがスマートにまとまるので買って正解でした。

 

モンベルのサイクルギア全般に言えることですが、防水でない製品は非常に安価で「取りあえず使ってみたい」なら買いです。だいたいは必要十分な性能があり、使い続けられると思います。

 

フレームバッグは優先度が低いケースが多いと思うので、この製品は逆に有力な選択肢になるでしょう。

 

モンベル | オンラインショップ | トライアングルバッグ M

 

Shimano・Advancedグローブ

 

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夏用のグローブ(4,000円+税)。コンフォート系ではなくレース用の製品です。緩衝材もりもりのモデルは地面からの感触が失われそうで嫌だったため、敢えてこの製品を選択。

 

一見薄手で衝撃吸収などにはほとんど効果がなさそうなのですが、荒れた道のダウンヒルでも手へのダメージを確実に軽減してくれました。エンデュランス系のカーボンフレームなら、こういった製品で十分なのかも。

 

自転車に乗り始めた去年の夏はグローブを使用していなかったのですが、さっさと買っておいたほうがよかったと思いました。地味ながら、今回評価が高かった製品です。

 

Advanced グローブ - グローブ - サイクリングウェア - ライフスタイルギア - SHIMANO

 

モンベル・ジオライン

 

 モンベル | オンラインショップ | ジオライン クールメッシュ タンクトップ Men's

 

モンベル | オンラインショップ | ジオライン クールメッシュ ブリーフ Men's

 

僕はレーパンを履かないので、上下セット(タンクトップとブリーフ)で購入。汗抜けが非常に良く、サイクルジャージの下に着るとより快適に過ごすことができます。評判通り高性能な製品で大満足。

 

夏用は冬用に比べて上2,000円(税抜)、下1,600円(税抜)と格段に安いです。その割に効果は体感しやすいのでおすすめ度はかなり高いです。

 

モンベル・WIC.サイクル ショートソックス

 

今まではユニクロのソックスだったのですが、サイクリング向けソックスが気になったので購入。サイクルウェアは全体的に値段がおかしく手が出しにくいのですが、この製品は1,600円(税抜)とまだ買いやすい価格設定なのも試してみる気を後押し。

 

ふつうのソックスとの違いはフィット感です。かなりきつめで、苦しくはありませんがとてもぴっちりしています。

 

サイクルソックスの良さを言葉で表すのは難しいのですが、ぴっちりしていないソックスは強くペダリングするとソックスがズレることがありますが、サイクルソックスではそうした現象は起こりにくくなっています。

 

これもかなり地味な製品ですが、強く踏むことが多い山岳ロングライドではそれなりに意味があったように感じています。

 

モンベル | オンラインショップ | WIC.サイクル ショートソックス

 

まとめ

 

いろいろ買っていますが、高いのはホイールだけです。というか、ホイールにお金をかけるためにほかは安価な製品にしています。すべてのギアを最高性能の製品で揃える必要はありませんが、目的に応じてハイエンドを買うべき部分もあります。僕は明神・三国峠を登った経験などから、山岳ロングライドには高性能なホイールが必要不可欠と判断しました。

 

風張林道を超える魔境「明神・三国峠」を登ってきた - 東京デスライド

 

結果、別にクライマー体型でもありませんが、1日平均2,000mUPしてあちこちで絶景を眺めることができました。身も蓋もない話ですが、鉄下駄→ハイエンドへの換装は所有欲を満たし、走力を高め、その上でふだん行けないところに行けてしまうという自転車ならではの楽しみを加速させる、もっともコスパのいい投資先だと思いました。

 

その他で性能重視で購入したのはオルトリーブのみ。それ以外はアッディショナルなアイテムとして、最低限のスペックがあればOKと判断。値段を基準に購入しました。

 

自転車趣味はとにかくお金がかかるため、優先順位を決めるのは富豪でもない限り必須かなぁと思います。なお、この記事を読んだ石油王、イグジットしたITベンチャーのCEO、画商などの方は、今回諦めざるを得なかったアピデュラのフレームバッグをよろしくお願いします。