東京デスライド(旧)

自転車で「自分的に限界ギリギリ」のライドをしたら更新します。

日本三大酷道「国道425号」を自転車で全線走破。こんなに“深い道”はない

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先日、前々から走ってみたかった国道425号(以下、R425)を全線走破してきました。

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Strava

R425は紀伊半島を東西に横断する国道。紀伊山地のど真ん中を突っ切っています。国道なのにまるで林道のような雰囲気の区間が大半、急カーブが延々と繰り返されることで有名です。R425はクルマやバイクの世界では酷道と呼ばれています。

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林道っぽい区間が非常に多く、「国道」のイメージを覆す道と言えます。

歴史的に若い関東に住む自分は、非常に古い歴史をもつ近畿の最深部を貫通するR425にエグゾティスムを感じてしまいました。自分が見たことがないものが見られる。そんな確信があったのです。

R425は全線200kmほど。国道としてはそれなりな長さですが、実際に走ってみると、国道1号のような長大な路線と同じくらい、表情を変える道でした。今回はそんなR425を自転車乗りの目線で紹介してみます。

R425の概要

今回はR425を起点の尾鷲市(三重)から御坊市(和歌山)までの全線を走破しています。走行距離は198.7km・獲得票高は3,997m(果無集落[後述]を含む。Garmin Edgeが十津川西部で壊れたため、後半はStravaによる計測であり、獲得票高は多めに出ている可能性が高いです)。

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R425は道路状況や周囲の地形から見て、大まかに以下の5区間に分けられます。

  1. 尾鷲市下北山村
  2. 下北山村十津川村東部
  3. 十津川村西部〜龍神村
  4. 龍神村
  5. 印南町御坊市

最初に言ってしまうと、おもしろいのは尾鷲市龍神村(1〜3)です。ぶっちゃけ全線を走る必要はなく、この区間だけコンプリートすればR425のおいしいところは見た、ということになるかなと。

補給が厳しく、メカトラは致命的。難易度は高め

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R425のほぼ真ん中にある十津川は、特に重要な経由地

補給できるのは、下北山村(奈良)、十津川村(奈良)、龍神村(和歌山)の商店・道の駅くらい下北山村十津川村の商店が夕方には閉まるのが厳しい。補給スポット間は数十キロ離れていて、その間は自販機すらありません

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メカトラなどで走行不能になるとかなりヤバいです。携帯電波がない区間が多く、村営バスが走ってはいますがダイヤは1日2本。クルマ通りもほぼないため、トラブル時は歩いて最寄りの民家 or 電波が通じるところまで行って助けを求めることになる可能性が高い。正直、ソロは怖いと思いました。

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総合的に見て、自転車で走る難易度は高いと思います。補給とリタイアがとにかく難しい。アクセスも悪く、東京からだと尾鷲にせよ御坊にせよ、6時間はかかります。前泊が事実上必須です。とはいえ、それでもなお走る価値のあるコースだと思います。この記事で伝えたいのはそこですね。

幸い今回はイナさん( @ina_419 )とすーさん( @su_san5392 )が一緒に走りたいと言ってくれたため、十津川村で1泊するグループライドとし、難易度とリスクを下げられました(1日あたり補給1回で十分な距離を走ればよくなり、トラブル時は最悪走れる人が助けを呼びにいける)。

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R425沿いにある果無集落(はてなししゅうらく)は、絶対に寄りたいポイント。

自転車の場合は、十津川村で1泊がベストだと思います。以下、各区間ごとに紹介していきますが、見どころは非常に多く、丁寧に見て回ったほうが満足度は高いというのも大きいです。ゆっくり走るべき理由が十分にあるのです。

尾鷲市下北山村:いきなり秘境区間。山を越えればダム湖と吊り橋と廃墟が待つ

実は自分がいちばん走りたかったのはこの区間です。R425を走ると決めたのは、この区間をパスできると書いているブログを見たから、というくらい(ちなみに、R425はどこかで通行止めが発生していることが多く、全線通しで走れる機会はわりと貴重です)。

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実際に尾鷲市に行ってみると、いきなり放つオーラがちがいました。標識にR425はあっち、と案内があるのですが、行き先が消されています(よく見ると下北山と書かれていたのがわかります)。国道には起点と終点が必ず指定されていて、どこに行くための道なのかが規定されています。それなのに行き先が書かれていないというのは…ふつうじゃない感がすごい。

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R425はさっそく住宅街の中に入っていき、そのへんにありそうな1車線の生活道路風に。標識もありますが、ステッカーです。

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すぐに山の中に入っていくR425、崩れ気味の斜面が出現してこれまたパンチがあります。

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いきなりレンガ造り&苔むした、味のあるトンネルがお出迎え。

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魔界に通じてそうです。

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反対側も凄まじい味。

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トンネルをひとつ抜けただけ、起点から2-3kmでもうこういう感じです。

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あちこちにR425の標識が貼られていて「ここは日本国の国道なんだわ」と主張しているのが違和感ありまくりでまた良い。

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古いトンネルが多いですが舗装は綺麗で、勾配も大したことないので走りやすいです。

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沿道を流れる叉口川。水は澄み渡っています。

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徐々に林道っぽくなっていきます。

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ステッカー標識が国道アピールを続けていましたが、説得力は完全に消滅。

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そこから標高600mほどまで上ると、景色が開けます。山々が遠くまで見通せ、足下は断崖。

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関東甲信越だと1000mくらいまでいかないと見られない景色ですが、紀伊山地は高低差がとにかく激しく、ちょっと上っただけで見れてしまうという。

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秘境感がすごい。

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三重県奈良県の県境に到達。

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ここにもステッカータイプのR425標識が潜んでいました。

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秘境感はどんどん増していきます。

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このあたりには「かくれ滝」という非常に美しい滝も。R425から3分くらいで着くので、もし行かれるなら寄るのをおすすめしておきます。

廃墟と吊り橋とダム湖

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秘境区間を抜けると廃墟が目立つように。集落まるまるひとつ廃墟になって残っています。わりと新しめの自転車がうち捨てられているのは何だったんだろう…。

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R425は坂本ダムによって形成されたダム湖沿いに進んでいきます。

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道の側には当たり前のように廃墟。これは住宅だったんでしょうか。

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出合橋という大吊橋が姿を現します。 

東ノ川廃集落とR425

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ここで少し寄り道、R425を外れ、右手の県道に進みます。東ノ川という廃集落があるので、見てみようかなと。道中は荒れまくりでした。

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その一方で、紅葉とダム湖、出合橋のコントラストが美しかったりも。

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また、錆びついた吊り橋もありました。この日は風がかなり強く、煽られて転倒してもおかしくなさそうでした。足場は木製…。渡るなという看板が立っていましたが、踏み出す気にはとてもなれません。

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ダム湖にかかる姿は美しいのですが。

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そこから少し行くと、東ノ川小中学校跡がありました。廃校になったのは1998年ですが、1969年には休校になっていたそうです。

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「望郷立志誓之碑」というモニュメントがあり、建立は1969年。「国策のダム建設で故郷は水没してしまいますが、この地を忘れずに新天地で暮らしていきます、といった主旨。このあたりにあった集落のすべてがダムに沈み、多くの人がこの地を離れたそうです。

東ノ川小中学校で満足してしまったのもあってスルーしましたが、少し先に行くと廃墟となった東ノ川集落が残されています(放棄されたのは2000年頃らしいです)。この東ノ川集落は、ダムに元の集落が沈んだあともこの地で暮らすことにした人たちが住んでいたもの。

尾鷲市東ノ川下北山村までの50kmほどの区間には観光施設や宿泊施設なども一切ないため、現在は奥只見以上の無人地域となっています。

今回、尾鷲市に前泊していて、宿の人に「十津川に行く」といったら意外そうな顔をされました。それで尾鷲市からR425を使って下北山・十津川方面に行く人はいないのかなと思いましたが、そうなるのも納得。

このあたりのR425は、沿道にある林道やダムの関係者がたまに通る程度の道に過ぎないのだと思われます。「国道」としてはほぼ死んでいる…。

下北山へ

R425に復帰し、先に進みます。

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隧道をいくつかくぐり、

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坂本ダム堤体を見て、

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備後橋という大きな吊り橋を渡ります。この備後橋は、2015年から補修工事で通行止めになってたそうで、通行できるようになったのは2年後の2017年。ネットでは確認がとれませんでしたが、尾鷲市の標識でR425の行き先が消されたのはこの補修工事期間中なのかも?

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沿道にある「水没之碑」とお地蔵さんに見送られ、

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池原ダムに到達。下北山村の補給スポットまではあと少し。

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この日は晴れていて、展望も良好。ここでも高低差が生み出す景観をたのしめました。山を蛇行する川が取り囲む地形は、関東甲信越では見たことがありません。

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川をせき止めて公園になっているところもあります。ちょっと見たことない光景です。

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数少ない補給ポイントである「カーブの店」に立ち寄り。昼食を食べて、下北山村十津川村の間にある峠に備えます。

(ちなみに、尾鷲市からは2人でスタートし、下北山村で関西からくるもう1人と合流しています。ここまで2人しかいないように見えるのはそのため)

下北山村十津川村東部:ワインディング&ガードレール祭りなヒルクライム区間

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下北山村を出発、以降、上りの勾配は尾鷲市下北山村区間よりも全体的に急で、ヘアピンカーブが続きます。

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さっそく頭の上にガードレールが出現。

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その後、純然たる山岳区間といった雰囲気に。

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短距離で一気に駆け上がるタイプの上りで、足下に上ってきた道が見える場所もちょこちょこあります。

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名前がおもしろすぎる「カナウナギトンネル」を通過。

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このあたりから看板が熱い感じになってきます。落石に気をつけろという看板はたくさん見ましたが、落盤に注意となっているのはR425クオリティ。全通しているのがレアなのも納得です。法面はことごとく金属製のネットで覆われています。

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頭の上にガードレールがあるのが完全に当たり前。

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道路の線形はめちゃくちゃで、クルマでは絶対走りたくない。

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上っていくと十津川村まであと27kmの標識が登場。

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その先で展望が開けます。

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紀伊山地の山々が見渡せます。

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冒頭の写真はここで撮ったもの。

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ピークはその少し先、白谷トンネル。抜ければそこは十津川村ダウンヒルが始まります。

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日没が近づいていたので先を急いだのですが、それでも足を止めてしまったのがこの「R425の425」。これは奈良県区間にだけ設置されている標識で、カーブの数を表示しているようでした。三重との県境からここまででカーブが425もあったと。

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だらだら写真を撮りながら走っていた&12月で日没が早かったこともあり、すでに夕方のよう。暗くなるとかなり危険な道なので一気に下りました。

f:id:des_esseintes:20211225181023j:plain十津川村中心部が近くなってきました。

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この先でR425はR168に合流、十津川村までは高速道路のような高規格道を飛ばして15分ほどで到着できました。

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旅館 植田屋に投宿、松阪牛のすき焼きと地酒、硫黄泉をキメてしっかりと疲れをとりました。

寄り道:超展望で熊野古道を歩ける、果無集落

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2日目はいきなり寄り道スタート。十津川村中心部からほど近い、「果無集落(はてなししゅうらく)」に向かいます。

f:id:des_esseintes:20211225181505j:plain270mほど上るのですが…

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道中からして景色の開け方がすごい。

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上った先にあるのは、集落の中を通る熊野古道熊野古道は奥の山々から果無集落まで続いていて、そこからまた山の中に消えていきます。

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十津川村は非常に古い歴史をもちます。『日本書紀』には、崇神天皇(10代)が神社を建てたとか、天武天皇(40代)が672年に壬申の乱で挙兵したときに十津川の民も参加して大きな功績をあげたことなどが記されているんだとか。

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こういった極めて古い集落に訪れられ、その古さを実際に感じられるものを見られるというのは、歴史の浅い東日本でのサイクリングではあまり体験できないので、だいぶ刺激的。

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あと、十津川村名物の吊り橋も渡ってみました。すんごい揺れて怖い!

十津川村西部〜龍神村:毒々しい看板の嵐。もっとも酷道的なR425の深淵・牛廻越

果無集落を堪能し、R425に戻ります。ここからはクネクネとしたカーブが延々と、龍神村まで50km以上続きます。実際走ってみてグループライドにしてよかった、と思いました。道中にはいい景色もあるのですが、視界が開けるのはたまにという感じで、間の距離が長い。雑談しながらでなければ、やや単調でしんどかったと思います。

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とはいえ目につくものはやっぱり多い。たとえば、この区間を彩る毒々しい看板たち。「落ちたら〇にGOですよ」としつこいくらい注意してくれます。

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例の山を川が取り巻くようにある地形はこのあたりにもあって、民家が建っていたり。人が住んでいるからか、川の埋め立てが行われていましたが。

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沿道にはちょいちょい集落があり、

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十津川中心部に近いうちはのどかな雰囲気です。

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まぁすぐにベコベコのガードレールが出現し、

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土砂崩れの跡に出くわしたりするんですが。この区間も、相当な費用と労力を投じて維持されているはずです。

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一方で、いい感じにガードレールが見上げられるところも。

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クルマは数台すれちがったのみと過疎も過疎なんですが、標識は妙に密だったり。

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この区間で目立つのが、やたら背の低いカーブミラー。おにぎりと合体しているものもあれば、

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2段になっているもの、

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ほとんど地面に埋まっているものまであって、個性豊かです。

この区間は集落が散在していることは先に述べましたが、和歌山との県境ぎりぎりまで人が住んでいるのが興味深い。

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最後の集落・西迫川(せいにしがわ)は十津川中心部から実に25kmほど離れていて、民家は10もないと思います。村営バスは予約が必要だそうですが、ちゃんときています。

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その先にはかなり新しい廃集落がありました。

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通学路の標識があって、廃校も。この廃集落から和歌山県境まではわずか数キロ、牛廻越という峠の半ばにあって、本当に山奥です。

東ノ川もそうでしたが、かなり厳しい条件の場所であっても住み続けたいと思う人がいて、R425が唯一といえるライフラインになっているとともに、R425があってなお集落が放棄されていっている。こんなに沿道の生活が生々しく垣間見える国道はほかにない気がします。

f:id:des_esseintes:20211225201136j:plain奈良と和歌山の県境は、牛廻越のピークにあります。やっぱり標識の類いが山盛り。R425奈良区間のカーブの数は1045でした。

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下り始めると雰囲気はまさに山奥、という感じになります。あるのはカラフルで主張の激しい転落注意の看板だけ。人はまったく住んでおらず、自分としてはそれが自然なような気がしました。

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ここでもステッカー版R425標識があるように見えますが、よく見ると「酷道425号」のステッカー。バイカーさんあたりが貼ったものなんでしょう。

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舗装も荒れ気味で、「いつも走っている山道」に近いクオリティでした。

龍神村:おもしろいのはここまで感

龍神村は山奥ではあるんですが、道も広いし、住宅や商店も多いしで、山の谷間の道沿いに張りつくようにあった十津川村とは雰囲気が全然異なります。

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R425は別の国道と合流して終点の御坊方面に向かっていきます。

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二車線の高規格な道で、先ほどまでの山道は何だったのとなりました。

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なんというか和歌山県はお金の使い方がうまい気がしました。人が住んでいる区間に入ると一気に道が綺麗になって走りやすくなるんですよね。人が少ないところにお金かけてもしょうがない、それはまったくその通り。

でもおもしろいのは奈良区間だったなと。その土地に住む人たちがいて、その人たちのために整備されているが故に、R425奈良区間はあのように表情豊かだったのではという気がするのです。旅人だから言えることではあるのですが。

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道の駅も立派です。巨大なしいたけをはさんだバーガーが売っていたりして、なんというかオサレ。それを食べながら、なんというかR425ライドのいちばん味わい深いところは終わったのだなぁ…などと思ってしまいました。

f:id:des_esseintes:20211225193920j:plainR425は合流していたR424と分かれ、再び単独区間に。

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クルマ通りは少なかったですが、奈良区間よりはすれ違う頻度が一気に増え、2車線への拡幅工事も進められていました。「需要がある道なんだなぁ」と。

f:id:des_esseintes:20211225194011j:plain12月上旬でしたが、龍神村は紅葉が綺麗なところが多かったです。印南町との境となっているトンネルが味のある感じになっていました。

印南町御坊市:太平洋付近までひたすら下るだけ

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トンネルを抜けるとあとはもうずっと終点まで下るだけ。日もほとんど落ちていたので、完全に消化試合ムードです。

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御坊市で久しぶりの信号。そういえば、R425には信号がほとんどありませんでした。きちんと数えていませんでしたが、トータルで10個ないような? しかもうち4つは起終点付近にあるという。信号峠な1桁国道のイメージが強いので、「やっぱり国道らしくない」と思ってしまいます。

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R425がR42と合流する交差点に到達。これにて尾鷲市から200kmほど続いたR425を全線走破しました。

龍神村以降は「全線走破しました」と言うために走ったような感じで、そんなエゴ全開のライドに付き合ってくれた2人の同行者には感謝しかありません。

こんなに「深い国道」はない

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秘境的な区間や景色がいい場所がたくさんあり、古いトンネルをたくさん抜けていくので冒険しているかのような気持ちになるのは確か。転落事故も多発しているというので、酷道と呼びたくなる気持ちはわかります。

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でも、自転車で走ると「非常によく整備された道」という印象が強かったです。舗装は林道的な雰囲気の場所でも総じて綺麗で、本物の林道に比べれば圧倒的に走りやすい。クルマもほとんど走っておらず、通っている場所も踏まえると、むしろよく維持されていると言えます。

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それでもなお紀伊山地の最奥部で暮らすのは難しいことが沿道の風景から伝わってくるのがR425最大の特徴でしょう。離れていく人がいて、それにも納得せざるを得ません。観光地である下北山村十津川村龍神村の間にある生活が生々しく迫ってくるのです。衰退や滅びが明媚さに影を落としている、と言ってもいいかもしれません。

東京から行きやすい長野などは観光地として洗練されていますが、逆にそういった場所を走っているだけではまずできない体験ができるところに、R425のおもしろさがあると思います。

おまけ:四国横断したくなりました

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R425全線走破の翌日、御坊周辺をゆるポタして「日の岬」に立ち寄りました。紀伊半島最西端の灯台がある岬なんですが…なんと対岸の徳島がうっすらと見えていました。

次に大がかりなライドをするなら、和歌山からフェリーで徳島に渡り、今回の達成した紀伊半島縦断の流れを引き継ぐ形で四国を横断してみたくなりました。

富士山と河口湖を一望できちゃう上品林道「西川新倉線」に行ってきた

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観光道路にしか思えない。

イナさん( @ina419 )に富士山界隈を走らないかと誘われたので、ホイホイついていきました。その際に走った「西川新倉林道(にしかわあらくらりんどう)」が林道の3Kなイメージ(暗くて、キツくて、なんかこわい)を覆す、すばらしい道だったので紹介します。

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Strava

駅近でゆるっと上れる

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西川新倉林道の入口は、富士急行線 富士山駅にほど近い住宅街の最奥にあります。都内から輪行だと電車に乗っている時間が長いですが、駅近でたどり着くのは簡単、というのがポイント高し。

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西川新倉林道のいいところとして非常識な勾配の区間がない、という点が挙げられます。斜度6〜7%ほどがコンスタントに続きます。誰かと談笑しながらゆるゆる上るのにぴったり。

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展望が開けるまでは地味めだと思いますが、今回は紅葉の盛りで非常に美しかったです。

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木々がふつうの林道よりもややまばら、鬱蒼とした山の中という感じではまったくなく、木々の合間からは河口湖町が常にうっすら見えています。

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山奥に取り残されたような不安感などとは無縁です。新緑の季節に訪れるのも、爽やかな雰囲気の中を気持ちよく走れてよさそうです。

展望がすごい区間がある

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いちばんの見どころは、河口湖畔と富士山を一望できるパノラマ区間。距離が近いため、河口湖大橋はもちろん、湖畔に建ち並ぶ建物のひとつひとつまで細かく視認できます。富士山の裾野はもちろんのこと、山中湖まで見通せるところも。位置が良すぎ。

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西川新倉林道は河口湖の東にある山の中を突き進み、御坂みちのピーク付近にでるようになっています(ちょっと上ると天下茶屋に着きます)。位置や行き先からすると交通量は多そうに思えるのですが…自分たちが行ったときは超絶過疎。モーターサイクルはもちろん、ローディの姿もなく、静かに、落ち着いてたのしめる林道でした。

奥只見デスライド:2人を贄に捧げ、奇跡と狂気の紅葉に包まれた3人は晩秋の闇に凍えた

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過去イチ過酷で凄絶な景色が見られたライドでした。

RoadQuestというヒルクライムクチコミサイト(滅亡済)をきっかけに知り合った、ハードコアサイクリストのみなさん(イナさん @ina_419, PieTakoさん @PieTako, kmさん @allblacksNZ2015, おおぜきネコさん @ozeki3333 )と会津高原を越えて奥只見に紅葉を見に行ってきました。

コースはこんな感じ。走行距離137km・獲得票高2,148mですが、日の短い11月上旬に補給場所が限定される南東北中越の山奥を1日で走破する形。難易度は高めだと思います。参加者は全員「慣れた人たち」ですが、それでも激しい展開に。

最高のライドになる予感しかなかった

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東武東上線/会津野岩鉄道 特急リバティ号始発に飛び乗り、会津高原尾瀬口駅へ。

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車窓からでも紅葉で美しく色づいた景色が見放題。

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駅前の温泉に入って帰る、でも満足できるレベルでしょう。

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9時21分に会津高原尾瀬口に到着。

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駅前の紅葉がもうすごい。

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出発は9時50分頃。

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沿道も紅葉最盛期です。

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全面が色づいており、緑のほうがまばらというのに驚かされます。

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最高のタイミングで訪れたのはまちがいありません。

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空には雲がありましたが、おかげで実際の色味にかなり近い写真が撮れます。

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落葉の中を行きます。雰囲気も抜群によかった。

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以降、それが本当にずっと続きます。

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紅葉の中に突っ込んでいくような感じ。

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舘岩川に沿うように進む国道352号(R352)を突き進み、11時頃に舘岩集落を通過。

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舘岩川は伊南川(いながわ)と合流し、R352は伊南川に沿って南へ。

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11時50分頃に屏風岩に到着。

まさかのパーティ崩壊

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12時9分に檜枝岐(ひのえまた)に到着。少し調子が悪いという人がいるので、村役場付近にあるお店で休憩がてら昼食に。

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今日が年内最終営業日という「山人屋(やもうどや)」というお店をチョイス。

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田舎定食(1,000円)が物珍しいので食べてみました。ご飯と汁にはこれでもかというくらいきのこ。おかずの岩魚の身をほぐしたものと卵のヅケ(要はいくら)は新鮮&塩味がよく効いていていいアクセント。黒っぽいのは醤油をかけてと言われた何か(きくらげ?)。おいしいだけでなく、野趣があるのも良い。

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13時10分頃にライドを再開、先頭を引いていたのですが、中切れしてしまうのでペースを落とす。

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13時30分には尾瀬国立公園に突入。

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13時30分に御池へのヒルクライムがスタート、今回のライドで最大の上りです。

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キツめの上りが続きますが、わりとぐいぐい上っていきました。

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遅れる人も出ますが、撮影を挟むなどして控えめなペースをキープ。紅葉はここも最盛期です。

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14時20分に御池ロッジに到着しますが、思いのほかこたえ、続行は厳しいという人が2人(この2人あれこれあって久方ぶりのライド)。正確なところはまだ聞けていませんが、比較的ハイペースでしたし、マイペースでいけないグループライドなのも影響した気がします。正直、相当体力があるという印象の2人だったので、面食らいました。

結局、2人には檜枝岐へ戻りシャトルバスを使って帰京してもらい、ほかの3人は予定通り進むことに。

パーティを2つに割る判断をした理由は2つあります。

全員で帰京できるか不安があったというのが1つめ、終電の時間的に帰京する人は次のシャトルバスに乗らねばなりませんでしたが、5人全員の自転車を積めない可能性がリアルにありそうでした。シャトルバスを使う人数は絞るべき。

ほかの3人は体力的に問題がなく、奥只見へのアタックを希望している、というのがもう1つの理由です。ここまですばらしい景色を見てきましたが、もとより絶景で知られる奥只見はどうなっているのか? どうしても見たかった。

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5人で記念撮影をしてお別れします。

このときは2人にかなり申し訳ないと思いましたが、結果から言うと引き返して正解。先に進んだら山奥で動けなくなっていた可能性が十分にありました。この先は極めて過酷なライドになったのです。

複雑なのは、しんどかっただけではなく、尋常ではない景色が見られた、ということ。

最高のその上、奇跡と狂気の奥只見

これでもかというほどの紅葉を見せつけられてきましたが、実は前哨戦に過ぎません。この先の景色はそれほど凄まじかった。

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14時50分に自分を含む3人は、御池から奥只見川沿いまで下り始めました。左手に冠雪した燧ヶ岳の北側ピークが見えます。

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この時点でもかなり壮観な景色。

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空が暗くなり、それまでとは雰囲気が変わったことについては誰も何も触れませんでした。

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15時19分に金泉橋を渡り、新潟県に突入。その頃には雨が降り出していていました。

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ひとまず雨は断続的、弱まることもあり、止むこともありました。

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不安しかない天候ですが、景色がよくついつい撮影で止まってしまいます。

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15時39分には奥只見湖が姿を現します。朽ちる寸前の赤、滅ぶ間際の緋色に一面が染まった凄絶な美。通常、紅葉といっても黄色や緑などがどうしても混じります。実際、昨年同時期に訪れたイナさんによると、昨年はそういう紅葉だったそうです。にもかかわらず今年は息を合わせたかのように一面同色なのはなぜなのか。これが見られたのはまちがいなく幸運だと思います。

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16時6分〜19分にかけて、恋の岐沢を通過しました。こんな風にこれから行く道が見てとれるとテンションがあがってしまうのはなぜなのでしょうか。

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紅葉と岸壁が生み出すコントラストからは自然の狂気を感じます。これほどの美しさも誰かに観測されなければ無いのと同じ。それなのに、こんなにアクセスの難しい山奥に出現させてしまう。パーティメンバー2人を生贄に捧げたから、それに応えたのだとしたら底意地が悪すぎる。

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これからパスしなければならない急勾配さえも見てとれます。ここまで視界が開けて道が見えるというのは、日本とは思ません。ツール・ド・フランスなどのグランツールの大一番で見られる巨大な峠と似た風格を感じます。自分はこういう道を見ると多少の過酷な思いをしても走破したい、と思ってしまいますが、みなさんはいかがでしょうか。

奥只見デスライド

このあと奥只見は“観覧料”を取り立てにかかってきます。

断続的だった雨は本格的なものになり、夜の帳が落ちても止むことはありませんでした。足を止めている余裕はもうありません。かなりの降雨量で、防水ウェアを着ていても隙間から冷たい雨水が少しずつ浸みてきてしまいます。走っているだけで体温が奪われるようになるのは時間の問題、なにせまだ枝折峠(しおりとうげ)を含む50km以上を走る必要がるのですから。

以降は補給や装備の調整など以外では止まらず、黙々と走り続けました。だらだらとした上りが続いたおかげで浸水しつつも体温はある程度保たれ、言葉を交わす余裕もありました。他の2人も自分と同じ苦しみを味わっていると思うと、気がだいぶ楽になりました(最悪)。

17時54分、枝折峠の入口・石抱橋にたどり着きます。この橋が奥只見湖に注ぐ北ノ又川に渡されたものだとか、渡った先に作家・開高健の記念碑があるとか、今地図を見直して思い出しました。道路以外のものは本当に何も見えていませんでした。

18時34分頃に枝折峠ピークに到達。やっとすべての上りを消化したという感想以外何もありません。雨は止んでいましたが、曇っているようで星も見えずただの真っ暗闇。カメラをわざわざバッグから出す気にもなれずiPhoneのナイトモードでさっと撮るにとどめます。さっさと下ってしまいたかった。

下りに入りますが、ウェットなうえに街灯などは一切なありません。前照灯だけを頼りに、神経を削られながらこなしていきます。楽しみにしていた越後駒ヶ岳や八海山などは見えるわけもなく、ときおり現れるスノーシェッド内にドライの部分が見えただけで嬉しくなる始末。ウェアが濡れている中がんがん下っていくので、走行風で体温がみるみる奪われていきます。言葉を交わす余裕はさすがに消滅。かといってやめるわけにもいきません。甘んじて地獄を受け入れます。

途中で自分の前照灯がつかなくなるトラブルがありました。前を行く2人の灯りがみるみる遠ざかっていき、真っ暗な山奥に1人取り残され、絶望しました。どこが断崖でどこが斜面なのかまるでわからず、乗って下るのはもう無理、徒歩で下るしかないか…と思ったところ、気づいた2人が少し先に待っていてくれて、なんとか事なきを得ました(なお、前照灯は壊れたわけではなく、モバイルバッテリーで給電していて、満充電になったタイミングでいったん電源が切れる仕様でした。その後は問題なく使えましたが、もう1灯持っていくべきでした)。

文明への帰還

開いている商店などが見当たらない大湯温泉をスルーし、奥只見シルバーライン分岐点にあった廃ガソリンスタンドで休憩。補給したり、身体を拭いたり。大湯温泉からゴールの浦佐駅までは24kmほどあり、どう考えても休憩なしでたどり着けないと考えました。

相当下ったにもかかわらず未だ街灯はなく、前照灯しか明かりはありませんでした。とはいえ、それまで延々と続いた真の闇の中よりは数段マシです。一応、人間の領域にたどり着いてはいるのですから。何を話したかはすでに記憶にありませんが、また言葉が交わせるようになったことでも心理的負担はぐっと下がりました。

セブンイレブン魚沼湯之谷店に駆け込みます。御池ロッジ以来の買い物ができる、営業しているお店です。暖かい飲食物やカイロなどを購入。「生きた…」と感じられるのはデスライドが終わったからです。

ちなみに、カイロはあまり効きませんでした。ウェアが濡れており、走行しなくても体温が奪われていっていて、カイロによるプラスよりマイナスのほうが大きかった印象。晩秋以降の雨は、相当危険です。今回は天気予報では降水確率ゼロの曇り予想でしたが、実際は大雨。山間部ではどうしてもこういうことがあるので、冬に行く際は念には念を入れて全身浸水しない装備のほうがいいですね。

予定通り浦佐駅まで行くかを検討。結果、もうこれ以上走りたくないで意見が一致。もっとも近い駅である小出駅からの輪行に予定を変更します。当初は地方路線の電車間隔の長さを嫌って新幹線駅まで自走することにしていましたが、近場のお店がけっこうやっていたので、温かいものを食べつつ上越線の電車を待つことに。

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みんなでラーメンを食べていたら小出駅への到着はぎりぎりに。上越線に滑り込んでなんとか帰京しました。

総括:計画に問題あり、現場の判断は妥当だったのでは

Twitterでこのライドを超絶景を見る代償に2人を生け贄に捧げて残りの3人もHPの8割を消費して死にかけなどと表現しましたが、わりと正鵠を射た表現な気がします。5人でどっか行こうとならなかったら、この奥只見を走れたかはやや怪しく、「5人でこういったプランを立てたから完走組は奇跡的な体験ができた」と言えると思います。

2人のリタイアについては久々のグループライドをノリでハードめに計画して実行したら、予想以上に走力が落ちてる人がいたという問題です。このコースを提案した人に配慮が足りなかったのはまちがいありませんが、受け入れた2人の見積もりが甘かったという面も明確にあると言わざるをえません。まぁ突き詰めると、飲み会の席でお酒をしこたま入れた状態で「奥只見、行こう!」となったのがアウト。「この日にライドしようね」までは決めてもよかったけれど、どこを走るかはシラフで冷静に見積もるべきでした。

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現場で下したパーティを2分割する判断は、自分は悪くなかったと思っています。

限界にきていた2人を連れて全員で奥只見側に下るはまず論外。結果的にリタイアした2人は奥只見の強烈な景色を見逃すことになりましたが、もしついてきたらおそらくは枝折峠を越えられなかったし、御池まで上り返して檜枝岐に戻るのも厳しかったはずです。立ち往生することになりますが、今回の場合だと大雨で体温の低下が激しく、相当厳しい状態に陥っていたでしょう。御池から銀山平への上りまでは携帯電話圏外なのも致命的です。

後半戦(御池〜奥只見〜小出)は最悪のコンディションでしたが、進むことを決めた3人には体力的な不安はなく、降雨についても対応可能な装備を揃えていました。暗闇の中のダウンヒルも焦らず、丁寧にクリアできています。全員が体調を崩すことなく翌日も活動できており、もちろんしんどかったですが笑って済ませられる範囲。想定の範囲内で最悪を引いたという感じ。

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自分がリタイアする側でも同じ提案をしたでしょう。サイクリストにとって「自力で帰還できるのか?」は常に意識すべきこと。不調を感じたら、進退窮まる前に戻る、以外の選択肢はありません。あの奥只見を見逃したことを知って死ぬほど悔しがることになりますが、「みんなで帰京」がベストとは絶対に思いません。マンガ『弱虫ペダル』ではチームメンバーが主人公に先へ進めと言い残してリタイアするシーンが描かれていますが、自分も行ける人には先に行って欲しい。自分の不調等のために目的を犠牲にする人がでるほうが嫌ですね。

自分が挑んだ中でも最悪かつ最高のライドとなりました。今後これを越える経験ができるかは怪しくも思えるほどですが…まだまだあちこち走り回ることでしょう。

吾妻郡の歴史に浸れるアナザールート。「もうひとつの国道292号」で渋峠に向かってみた

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吾妻線長野原草津口駅。ここからどういう風に草津町渋峠を目指すとたのしいか、という話

東京から渋峠に行くとなると、吾妻線長野原草津口駅まで輪行するのがオーソドックス。まずは草津町に上がり、そこからさらにのぼって渋峠を目指すことになります。

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Google Maps

Google Mapsで経路案内させると、こんな風に西進して国道292号(R292)を行くルートが推奨されます。渋峠に行くときはなんとなくこちらを使いがちだったのですが、よく見ると東側にもR292が存在していて、そちらを行くのもナシではない模様。

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R292(西側)のドストレート上り。手前は勾配にやられた人

西側のR292はよく整備されていますが交通量が多いうえ、勾配もキツめ。積極的に走りたいという感じでは正直ありません。そこで今回は、東側にある、もうひとつのR292を通って草津町渋峠を目指してみました。

鉄道遺構あり、古い養蚕農家あり、いい感じの峠道あり

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Wikipediaを読むと、西側のR292は以前は有料道路で、東側のR292はその迂回路(無料でいけるルート)として国道に指定されたみたいです。

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白砂川

白砂川沿いを北上していきますが、この白砂川の水は濁ったエメラルドブルー。これは川の水が酸性だからだそうです。

水源の白根山は硫黄を含んだ火山で、染みこんだ雨水はpH値3の強酸性の水として湧き出します。そのままだと飲めないし魚なども住めないので、上流の品木ダムで中和事業を行いpH5〜6程度にしているそうです。結果、こういった色になってると。

白根山渋峠の手前にあります。自分からしたら「絶景渋峠」の一部ですが、現地の人からすると「そんな風に対処しないといけない自然」なんだなぁと。

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R292はこのあたりでは「白砂渓谷ライン」という名前になっています。展望が開けると件の白根山が見えます。ここからあそこまで行けると思うとやっぱテンションあがります。

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白砂渓谷はけっこう急峻で、沿道の風景には迫力があります。良い。

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それから六合(くに)という村(現在は中之条町編入)を通過します。古い養蚕農家が保存されていて、ちょっといい雰囲気です。今回は時間の関係で立ち寄りませんでしたが、村内には幕末の蘭学者・高野長英が隠れていた旧家なんかもあるようです。

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六合の沿道でいちばん良かったのは、旧太子駅(おおしえき)という鉱山鉄道遺構。かつて近くにあった群馬鉄山で採掘された鉄鉱石を、京浜地区まで輸送するために開業されたそうです。

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空中ケーブルで運んできた鉄鉱石を保管していたホッパー棟は、古代ローマの遺跡のような雰囲気。

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なぜか大井川鐵道の貨車?もあったり。

僻地と思いきや、実は日本の歴史や経済発展としっかりつながりをもっていた、というのがさらっと見てとれてなかなか熱い。

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いい感じの岩山やら洞門をパスすると、草津町への上りに入ります。

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舗装は荒れ気味ですが、R292(西側)より圧倒的に交通量が少なく、落ち着いた雰囲気です。

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なんかいい。バス停かな?と思いましたが、中には崖の下にある集落とをつなぐ階段がありました。

大きくうねる峠道が続きます。個人的には、R292(西側)の急勾配ドストレートよりもずっと楽だなーと。勾配も緩やかに感じましたが、クルマが少なくて気楽に走れるからそう感じただけだったかも。

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草津町の西側に出ます。眼前にはやはり白根山方面。

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歴史的な建造物がけっこうな密度で沿道に存在し、見える風景も良いです。R292(西側)より若干遠回りにはなりますが、それ相応の味わいがあり、雰囲気のいい道が好きな人にはかなりおすすめ。

僻地中の僻地「青崩峠」で真っ暗に。怖すぎて撤退した話

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静岡県浜松市天竜区の最北端であり、国道152号の不通区間にある青崩峠で迎えた日没

静岡の果て、長野との県境に青崩峠(あおくずれとうげ)という峠があります。未舗装の登山道を含むにも関わらず実は国道(=酷道)・大断層である中央構造線上にある、ということで非常に有名で、前々から気になっていました。

先日例によってロードバイクで行ってきたのですが、あれこれあってたどり着いたときには日が暮れていました。やばくね?と思ったけど、そのまま突入したら…ロードに乗り始めてからいちばんくらいに怖かったです。

大がかりなライドをするのが久々ですっかり忘れていましたが、僻地でナイトライドになるのは絶対に回避するように予定を組むべき(当たり前)。

夕方にたどり着いた時点で負けていた

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(c) OpenStreetMap contributors, Wikipedia (CC-BY-SA)

青崩峠はこのへんにあります。長野と静岡の県境、付近を秘境路線・飯田線が通る、僻地中の僻地です。

道中でさえ人家はまばら。メカトラブルなどで動けなくなっても助けは期待できない、細心の注意を払って赴くべきロケーションです(それで政令指定都市浜松市内だったりもするんだからすごい)。

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青崩峠の入口付近

が、今回はそんな青崩峠を夕方になってから上り始めました。ふつうはやらないし、やるべきでもないけど、いろいろと魔が差してやってしまいました。

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Strava

青崩峠は国道152号をずっと北上すればたどり着けるのですが、「交通量多そうだからヤだ」ということで天竜スーパー林道を迂回するコースを引いているのがひとつ大きいです。距離60km・獲得票高1800mほど走ってから青崩峠区間(距離12km・獲得票高700mほど)を上り始める形ですが、東京近郊だと都民の森を2回上ってから風張林道に突入がイメージ的に近いです。さくっと走れるコースではないです。おまけに後述する理由で、走り始める時間もあまり早くありませんでした。

どうしてそんなガバガバプランが決行に移されてしまったかというと…「ワクチンを2回打ち状況的にも長く我慢していた遠方ライドができるヤッター!」という勢い。これに尽きます。

当然のように超激坂

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Strava

青崩峠はかなり激烈な峠で、平均勾配は10%を越え、ガーミンは道中12〜18%をコンスタントに示していました。舗装は当然コンクリート

そんな峠にがっつり疲労した状態で突入するとどうなるか。速攻で両脚が攣ります。斜度14%が続いたあたりで攣り始め、さすがに脚をついたのですが、激坂すぎて立ってるだけでも自重が重くのしかかり、少し休んだくらいではおさまらない。

痛みの中ですごい焦りました。なんでって終電の時間が迫っていたから。前日にあれこれ予定があった関係で、日帰りで実行せざるを得ませんでした。始発で東京から静岡まできて、終電に滑り込んで帰京する必要がありました。

にも関わらず、やっぱり山頂を目指すことに。書いてて「コイツ正気か?」って感じになってきました。

「簡単にこれる場所ではないから、今回絶対に行っておきたい」という欲に駆られていました。自分の希望を状況に優先させており、冷静さを欠いていたと言えます。

人の領域であることをやめた古い峠道

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その後、足神神社という神社に到達。しかし誰もおらず、真っ暗闇の中におぼろげに社が見えるだけ。道の脇に「〜の墓」という看板があって、「ここに死者が眠っているのか」と空恐ろしくなりました。周囲の森からは、草むらがガサッと鳴る音や、ギャーギャーと何かが鳴く声がしてきます。

撤退の判断をしたのは、青崩峠山頂へと向かう登山道にたどり着いたとき。舗装が終わり、未舗装の山道が続いているのを見て、先に進めなくなってしまいました。

疲労が蓄積していてもう上りたくなかったというのもありますが、未舗装の道に濃厚な存在の気配──人ならざる何かが待っているような感じを覚えたのがいちばんの理由です。平たくいうと、雰囲気怖すぎて無理!

かつて青崩峠は秋葉街道(海のない長野へ塩を運ぶ、塩の道)として利用されていましたが、今はほとんど使われていません。旧道などを走る人はわかると思いますが、使われなくなった領域は朽ちていって人の領域ではなくなっていきます。崩落や野生動物に遭って怪我などをしてもぜんぜんおかしくありません。↑ではややオカルティックな書き方をしてますが、要は本能的に危険を感じた身体が拒絶した、って感じだったんだと思います。

あとで確認したところ、↑で登場した墓は霊犬・しっぺい太郎のものであり、怖がるようなものではありませんでした。足神神社も創建1250年頃、無病息災・健脚の御利益がある神社だそうです。

ナイトライドしていい場所と、そうでない場所がある

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水窪のあたりで見た満月

ダウンヒルにも時間がかかりました。暗闇の急カーブは、完全にスピードを殺さねば事故る気しかしません。フロントホイールをかすめるように草むらから草むらへ消えていく野ウサギにも肝を冷やしました。

綺麗なアスファルト舗装が見えてきたときは本当に安心しました。そこから55kmほど下らねばなりませんが、ささいな問題でした。この道を行けばちゃんと帰れるのですから。遠州鉄道 西鹿島駅を出る終電には無事間に合いました。

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起点とした遠州鉄道 西鹿島駅青崩峠がある天竜区の入口にあたる

ちなみに、今回輪行で使った遠州鉄道はネット怪談「きさらぎ駅」の舞台になったとされています。いつも乗る電車に乗ったら、奇妙な駅にたどり着き、人ならざるものと遭遇する、そんなお話です。きさらぎ駅は遠州鉄道の延長上にあるということになり、青崩峠は候補地となりうる場所にあります。

きさらぎ駅が青崩峠にあった、と言いたいわけではなくて、そうであってもおかしくない雰囲気だったなと。

東京から出ずに初日の出ライドしてみた

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こんなご時世なので。

例年、元日は他県にでて初日の出を見ているのですが、今年はそういう雰囲気ではなかったので近場で。朝一で新木場のほうまで行って見てきました。

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暗いうちに都内の自宅を出発、浅草寺の様子を見つつ、東京湾岸を目指しました。

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浅草寺には思ったより人がいたので仲見世の入口まで行ってバック。

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気温はマイナス1度か2度だったはず。さすがに寒く真冬用グローブを着用。初日の出ライドをすると毎度思いますが、この寒くて真っ暗な時間はやっぱしんどい。虚無。

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でもこんな風に空が明らんでくるとテンションが上がる。

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初日の出そのものより、この薄明の時間が好きで走ってる気がします。

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今年の初日の出はこんな感じでした。見るとやっぱり気持ちがいい。

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人出はけっこうあって、自転車できてる人も多かったですね。みんなよーやる。

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帰り道に西を向いたら富士山がまるっと。こういうのに気づけるのが自転車のいいところ。

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帰路で通ったサイクリングロード、なんかいい雰囲気。

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「の」ののぼりがいい味出してる。「のんびりサイクリング」の「の」らしいです。

さっさと落ち着いて今まで通り遠出できるようになるといいのですが。あ、今年もよろしくお願いいたします。

京都にGoToしたい関東サイクリストはどこでライドすればいいの?→神が降臨して教えてくれた

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GoToしたい、でも関東甲信は飽き気味。

そうだ、京都に行こう。 

でも、東京在住の自分には京都の土地勘はなく、どこ走ればいいとかよくわかんない。GoToの力で豪遊するにはぴったりだとは思うんですが。そう思っていたら…

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関西のサイクリスト・すーさん(@su_san5392)が迎撃してくれることに。

直接の面識はなかったのですが、Twitterでいつもかなりヤバげなところに突っ込んでいるのを観測していました。「頭のネジが吹っ飛んだ人なんじゃないか」という疑いもありましたが…どう転んでも刺激的なライドができそう。デスライドになったらそれはそれ。

今回はそんなすーさんに京都の県北に連れて行ってもらいました。結論から言うと、すーさんは歴戦のサイクリストでいい人だったし、組んでくれたコースもとても楽しいものでした。GoToで京都行くなら、このコース走っとけばまちがいない感、かなりあります。

京北ライド:適度な坂と雰囲気のいい里山をいい感じに混ぜ合わせたやつ

すーさんが10秒くらいで引いてくれたコースがざっくりこんな感じ。

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詳細

渡月橋(嵐山)が起点で、そこから京都北西にある六丁峠→神明峠と上って、京都北部の山間地帯(京北)に抜けます。京都北東にある花脊峠(はなせとうげ)を上って鞍馬山ダウンヒル、あとはそのまま市内を抜けて嵐山に戻る、という感じ。↑だと後半が切れてるんですが、全体で85km/1500mUPくらい。

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コースプロファイルの話をすると、神明峠までで800〜900mほど上る形、山場が最序盤にあります。斜度も15%オーバーに達するところがちょくちょくあり、キツいです。

なんですが、そこからは軽い上り&下りが入り混じる平坦が30kmほど続き、脚が回復した状態でラストの花脊峠(約380mUP)に突入できます。トータルで1500mUPとヒルクラ的な満足感はきっちりありつつも走りやすいという。 

しかも景色や雰囲気がひたすら良いです。

六丁峠〜神明峠:キツいけど絶景要素あり

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六丁峠起点。京都み全開な景色

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六丁峠頂上

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カーブのイン側の斜度がアレな感じ。道中は15%とかの部分がふつうにあります。短いですが、キツい

六丁峠を下ったあたりでは有名な渓谷・保津峡を眺められます。

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保津峡の隧道

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なんか眺めてる人たち

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JR嵯峨野線 保津峡駅に電車がきてる!

神明峠のあたりは林道系。関東だと飯能の林道が似てますが、舗装が圧倒的に綺麗で非常に走りやすい。

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水尾のあたり

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神明峠の頂上(ただしそのまま上りが続く謎仕様)

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11月第1週時点で紅葉し始め、くらい

比較的フラットで長閑な京北の里山地帯

その後は一気に走りやすくなります。景色も長閑系に。このへんは関東ではちょっと見られない感じですね。

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ここだけ紅葉めっちゃきれい

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みんな大好き洞門

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光の入り方がいい感じ

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京北のあたりに到着

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道の駅・ウッディー京北。ほぼ唯一の補給ポイントで、これ以外は自販機がたまにあるのみ

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お昼はロース鴨定食。鴨肉にマスタードつけるとめちゃくちゃうまあじってのは初めて知りました

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その先はこういう山間部っぽい道を駆け抜けていく感じ

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桂川沿いの木々が紅葉しててエモい

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こういう里山っぽい区間もあり。ちょこちょこ屋根がやたら大きい民家があってすごい(こなみ)

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迫ってくる山、そこまで紅葉してなかったですがつい撮っちゃう

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まぁ撮るよね!

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桂川の水が完全に透明

花脊峠でのラストクライムはまったりめ

花脊峠はゆるく談笑しながら上れる感じ、こちらは裏ヤビツが似てるかも。

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ススキ!

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う゛ぉー!

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まぁまだ上るんですけど。花脊峠は斜度5-7%くらいがほとんど、ゆるく上れて楽しいです

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空が近くなってきた。頂上の景色には期待していいんですね?

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残念! 虚無でした〜

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めちゃくちゃいい峠だと思いましたが、地元の方からしたら…まぁそうだよね

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前を進むすーさんが絶叫したのち停車して戻ってこない

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きたああ、やるじゃん花脊峠。大都市のすぐそばなのにすごい標高差

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鞍馬寺前で食べられる牛若餅。中には味の濃いこしあんがぎっしりで美味

鞍馬山まで下りてきたら、京都市内はすぐそこ。

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嵯峨嵐山駅で日没

おつかれさまでした。

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その後はアルコールを無限に入れつつ、すーさんのデスライド経験などを聞きました(台風の中600kmブルベ走ったりしたらしい。やっぱちょっとおかしいな?)。市街地に近いとライド後も楽しみやすくて良いですね。
 そんなわけで、今回はふつうに大勝利してしまいました。まぁ、ばたばたしてGoTo解禁されてるのに遠出できなかった10月が精神的にギリギリだったのでこれくらいはいいでしょう。